不純物100%|黒田武志オブジェクトブック#2
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planned sandscape [operation another]
黒田武志 著
A4変形判/190×297mm/92頁
上製本/表紙穴あき加工/透かし入り透明カバー付/2008年
AD+D+DTP:黒田武志
ISBN 978-4-944055-44-9
錆の記憶、時間のカケラ、
全ての壊れゆくモノ達へ―――
例えば君が死んで肉が腐敗し骨が砕け小さな粒子へとなっていく。
君が君とは違う物質へと変化する過程でさまざまな異物が混ざり合い、純粋な君では無くなっていくかもしれない、それでも、灰となり、砂と混じり、水に溶けた君の一部をきっと僕は見つけることが出来るはずだ。
不純物となることで君は存在し続ける、すべての時間、すべてのモノの中に・・・。
そんな風にして僕らは世界へと溶け込んでいく。ゆっくりと、時間をかけて。
純粋なモノがすばらしいと誰が決めたのだろう? 本当の意味での純粋物質など、この世界にあるのだろうか?
不純物100%と言う純粋物質に僕は憧れる。
約10年ぶりとなる2nd作品集は新作を中心とした59点の作品を収録。自身で装丁・デザインも手がけ、表紙に穴の空いた標本箱のような仕上げに。維新派「キートン」の模型によせた松本雄吉氏の書き下ろし「Film」も収録。
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くろだ・たけし
アートディレクター・デザイナー・美術作家/ sandscape主宰。NHK番組ロゴ、Lmagazie DODA Salida等雑誌のアートディレクター、ASICS世界陸上ホスピタリティーセンターや、ブリーゼブリーゼでのCREATIVE EXPO 2011autumn、KYOTO EXPERIMENTプレ企画展示等のクリエイティブディレクターを担当。また、演劇との接点も多く、数々の劇団のフライヤーやパンフレットを手掛けている。HEP HALLプロデュース『ハムレット』(2004 年)『夏の夜の夢』(2005年)では舞台美術から衣裳・小道具・宣伝美術まで、全体の世界観をまとめるアートディレクションを担当。2004年「維新派」の野外公演『キートン』(読売演劇大賞演出家部門優秀賞)以降『ナツノトビラ』、『nostalgia』、2010年犬島公演『台湾の灰色の牛が背のびをしたとき』(瀬戸内国際芸術祭参加作品)の舞台美術を担当した。
美術作家としては「planned sandscape」のタイトルで、オブジェ、インスタレーション、映像等の作品を発表。1994年長野まゆみ『夏帽子』(作品社)の挿画、2000年桐野夏生『錆びる心』(文春文庫)の表紙、2001年島田荘司『龍臥亭事件』(光文社文庫)他26冊のシリーズの表紙に作品が使用される。1998年ホテル阪神福島地下1階エントランス用オブジェ「the ark」制作。2001年7月~02年5月の美術館巡回展『BoxArt箱の中の秘められた宝物たち』で世界のBOXARTアーティスト32人の中に選ばれる。2008年2月の大規模個展『百年後の博物館』(大阪HEP HALL)ではファッションビルの最上階に廃小学校を出現させ4500 人を動員、タテタカコ、SIBERIAN NEWSPAPERらと音楽とアートのコラボも実現。2010年には日本に現存する最古の酒蔵、兵庫県伊丹市みやのまえ文化の郷で作品展『ナマエのないカタチ』を開催し3500人を動員と、独自の表現活動を続けている。2011年映像・音楽・インスタレーションのユニットによる「プロジェクト・ノオトオン」を始動。
オブジェ作品集に『ON THE PAPER』『不純物100%』(共に松本工房)がある。2012年松本工房と共同でアートブックレーベル「colophon」を立ち上げる。
official website : http://sandscape.biz