一九世紀の空間意識

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──空間的思考における装飾の作用について
INITIAL#1
吉見貴子 著
四六変形判/120×160mm/152頁
印籠式函入り/コデックス装/2010年
AD+D+DTP:松本久木
発行:INITs
ISBN 978-4-944055-46-3

一九世紀においては、量産体制の拡大への機運と工業技術の発展、交通機関の多様化とそれらの効率的な展開に対する関心の高まり等の背景が連関しつつ、人間の生活の方向性を導くようになっていた。これらの背景から抽出される共通項の一つに、速度を価値の基準と見なす了解の存在がある。この了解は産業の面では物品の規格化を推し進め、流通の方面ではヒトとモノの移動時間を縮減した。
速度についての意識は各国の都市デザインにも多岐にわたる影響を与えたが、そうした趨勢への反作用として、スピード化の価値観に包摂されない場―家屋や部屋の在り方への関心も喚起されるようになった。「移動」という行動パターンが注目されたことから、時間的な性質と空間的な性質のそれぞれを改めて検討しようとする流れが生まれたのである。この過程で、公的、あるいは私的な空間における装飾の様態を問題化する視点も確立された。産業社会化のうねりに随伴した都市像の変化は、人々に生活環境の再考を促した。本論では建築論や文学作品の中の空間的テーマを装飾性の問題との関わりから考察しつつ、都市環境への眼差しがどのような思考に展開していったのかを分析する。また、その経緯において生み出された美的表現を、人間の社会的経済的行動の在りようと関連付けて考えていく。(まえがき)



よしみ・たかこ
1972年生まれ。東京大学文学部ドイツ語ドイツ文学科卒業、大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得退学、阪大博士(言語文化学)。論文に「ポチョムキンの都市ツアー―アドルフ・ロースのテクストを中心に」(『オーストリア 形象と夢―帝国の崩壊と新生』所収 生田眞人 金子元臣 松村國隆 編 松本工房 2007年)「都市の「ヴォイド」―非物理的空間の変遷について」(『言語文化学 Vol.10』所収 大阪大学言語文化学会 2001年)他。

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