ザッツ ブロードウェイ ミュージカル II
¥3,850
SOLD OUT
重政隆文 著
四六判/128×188mm/656頁
上製本/角背ホローバック/2010年
AD+D+DTP:松本久木
ISBN 978-4-944055-47-0
世紀をまたぐブロードウェイ・ミュージカル10年誌
今、ブロードウェイでは「リバイバル」「ジュークボックス・ミュージカル」という名のリスク回避が横行している。
著者の鬱憤はそのブロードウェイのみならず、ぬるま湯の日本ミュージカル界に飛び火し、近隣にも延焼する。
「モノマネ」「お下がり」「リサイクル」に甘んじる日本にオリジナル・ミュージカルの未来はあるのだろうか……。
私の場合、ある作品を見ようと思ったら、その時点から鑑賞行動が始まっている。TKTSに並んでいる最中も鑑賞の一部である。劇場で自分の席に着いて舞台の幕が上がるのを待っている間も鑑賞の一部である。そして、舞台を見る。見た後、まだ鑑賞行動は続く。ある時は感動を噛みしめ、ある時は腹を立てて舌打ちをし、宿に帰る途中の思索も鑑賞の一部である。何日も、何カ月も、あるいは何年も後、その舞台について書かれた記事を読んで私が見た時の印象を反芻する時も、あるいは劇評が本になったのを読む時も、まだ鑑賞行動が続いている。[中略]
つまり、実際の舞台公演を含む前後に私の中で生じた精神活動のすべてが鑑賞の一部を成している。この本はそういう姿勢で書かれている。(本書「はじめに」より)
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しげまさ・たかふみ
1952年生まれ/大阪芸術大学芸術学部教授。専門は映画・演劇。映画館主義者/日本映像学会会員/映画研究誌『FB』同人。現在、年に2回大阪近辺のミニシアターに出没するフリー・マガジン『劇場分子』と、国書刊行会発行の『映画論叢』に連載を持つ。