映画の本の本 II
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重政隆文 著
四六判/128×188mm/812頁
上製本/角背ホローバック/2016年
AD+D+DTP:松本久木
ISBN 978-4-944055-77-7
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21世紀に入って出版された映画書の山を、玉石を問わず、切り崩し、
掘り起こしていく……
話題を呼んだ前作『映画の本の本』、の第2弾
本書では、主に二十一世紀に刊行された本を取り上げているが、必要によって、それに関連する前世紀の映画書も少しながら取り上げている。各項においては、おおむね刊行年の順に論じたが、これも必要に応じて前後する場合がある。
本でも映画でもそうなのだが、その作品の社会的価値はそれなりに評価される。しかし、社会的評価はそれとして、読んでみてその評価はおかしくないか、という場合に、筆力が高まる。大ヒットしている映画はたいてい面白くないということは実感としてある。本でも同じで、世間的に評価が高くてもまったく面白くない映画書も多々ある。
本書では、良くも悪くも私の心の琴線に触れた本を取り上げた。読んでも心に何も浮かばない、何も感じないという映画書が結構ある。そのような本はいくら立派そうに見えても取り上げていない。良い方か悪い方か、とにかく心が大きく揺さぶられた本について書いている。だから各項に、あの必読書はないのか、と思われることもあるだろう。また、読んでいる途中で私のこれまで知らなかったことに目が止まると、備忘録のように書きとめ、私の個人的な資料にしているような部分もある。後に調べ事がある時、少なくとも私の役には立つ。
もし本書に少しだけ誇れる点があるとしたら、映画関係者や映画会社、出版社に遠慮して書いた文章は一切ないということだ。長年映画を見続けてきて、それらの映画について書いてある本を読み、その上で気づいたこと、腹の立ったことなどを書き記している。幾分、腹を立てていることの方が多いという自覚はある。
(「まえがき」より)
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重政隆文(しげまさ・たかふみ)
1952年生まれ/大阪芸術大学芸術学部教授。専門は映画・演劇、映画館主義者/日本映像学会会員/映画研究誌『FB』同人。著書に『勝手に映画書・考』『ザッツ ブロードウェイ ミュージカル』『映画の本の本』『映画批評は批評できるか・番外篇』『そして誰も観なくなった』『ザッツ ブロードウェイ ミュージカルⅡ』(全て小社刊)ほか。