おそらくこれはアーカイヴにはなり得ない(かもしれないが…そうとも言い切れない?)としたら、何だ? phase【記録/先送り】
¥3,000
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 発行
フライヤーを再利用したスリーブ巻き/段ボール箱装/蛇腹折りご依頼書(10ページ)/フライヤーを再利用したオイル漬けアーカイヴ本(40ページ)/QRカード/緩衝材/エディションナンバー・シリアルキーフレーズ付き/2022年
材料:【ナイロンポリパック】ポリエチレン、ナイロン【ナイロンポリパック内】音声、ハーバリウムオイル(ミネラルオイル(流動パラフィン、日本製、揮発性なし、粘度350、密度0.868g/㎤、流動点-12.5℃、引火点250℃以上、非危険物)、紙、インク、ナイロン糸【箱・包装】紙、段ボール、インク
編集:mamoru、小林加代子、仲村健太郎、藤田瑞穂、松本久木
イラスト:松元悠
写真:来田猛
Web設計:小林加代子、仲村健太郎
造本設計:松本久木
※委託販売品
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アーカイヴに触発される思索を体現するという問いからはじまった、mamoru「おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)」のプロジェクトは、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでの展覧会(?)会期(2021年12月11日-26日、2022 年1月4日-3月21日)が終了した後も継続しており、「何だ?」についてさらに思索をめぐらせながら、プロジェクトのアーカイヴのあり方を探求している。本書は、2022年10月14日にローンチされた複数形式の【記録】のうちの一つ。これら【記録】は「何だ?」というメッセージとともに、1977年に宇宙に向けて旅立ったボイジャー探査機に搭載のゴールデン・レコードよろしく世に送り出され、未知と未来へとはてしなく「先送り」される。
限定188部、エディションナンバーおよびシリアルキーフレーズ付き。
本とともに封入されたオイルには音響考古学の観点から音声ログを刻印(録音)し、はるか未来での「再生」を企図している。 また、展覧会中に書かれたmamoruによる膨大なテキストから188のキーフレーズを抽出し、エディションナンバーと紐付けたうえでパッケージングの際に「声」を使ってナンバリングしている。
本書の刊行および販売は分散型アーカイヴも兼ねている。購入者には本プロジェクトのアーカイヴィングを担う一員として可能な限り長期にわたって保有もしくは保管してもらいたいと願っている。ただし譲渡や廃棄は購入者の自由である。
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[本書の内容]
アー、アー、アー
ご依頼書(ダウンロード)
アーカイヴ本(ウェブ空間での展覧会のようなもののウェブアーカイヴのオイル漬け)
mamoru思考・思索マップの断片
公開アーカイヴィングの記録画
QRカード
※アーカイヴ本は開封しオイルを洗い流して乾燥させれば読むことが可能ですが、いかなる事故についても発行者は責任を負いかねますことご了承ください。
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mamoru
1977年大阪生まれ。2001年ニューヨーク市立大学音楽学部卒業、2016年ハーグ王立芸術アカデミー/王立音楽院・大学院マスター・アーティステック・リサーチ修了。平成27年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。主な展示に「第10回恵比寿映像祭「インヴィジブル」」(東京都写真美術館、東京、2018)、「他人の時間」(東京都現代美術館、東京、2015/Queensland Art Gallery、ブリスベン、2016)、「MEDIA ART/KITCHEN, SENSORIUM」 (アヤラ美術館、マニラ、2013)、「虹の彼方 こことどこかをつなぐ、アーティストたちの遊飛行」(府中市美術館、東京、2012)、「再考現学/Re-Modernologio」(青森国際芸術センター、青森、2011)など。
ウェブサイト >>http://www.afewnotes.com
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)
京都市立芸術大学では、学内機関として1991年より芸術資料館を開館し、陳列室で所蔵品の展示を行うほか、大小二つの学内ギャラリー、その他の学内施設も活用しながら展示活動を継続しています。これらは作品鑑賞の機会を提供し、また学生たちの日頃の活動成果を公開する実験的発表の場としても機能しています。これらのスペースに加えて、2010年春、京都堀川音楽高等学校の新築移転に伴って、その敷地内南側に建てられたギャラリー棟(堀川御池ギャラリー)内に京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)が開館しました。
@KCUAでは当ギャラリー学芸スタッフの企画による特別展のほか、京都市立芸術大学の研究成果発表展ならびに教員・在学生・卒業生による企画展などの展覧会を開催しています。そのほか、国内外で活躍するアーティストを講師に迎えた若手アーティスト対象のワークショップやレクチャー、京都市立芸術大学の京都駅東部エリアへのキャンパス移転に向けたプロジェクトの実施など、展覧会だけにとどまらず、多岐にわたる活動を実施しています。
「おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)」展覧会サイト>>https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2021/7604/
▼展覧会記録映像。収蔵品展(《phase0》)から始まった「おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)」は《phase3》そして《からどこへ》を経て、現在《先送り》を展開中である。
▼本書完成と同時にローンチされたウェブアーカイヴ。全てのテキスト、全てのログが格納されている。mamoruが考案した日本語文体「グルーヴ体」を視覚的に表象するべく特殊なプログラミングを組み、動的で偶発性の高いウェブサイトとなっている(東京TDC2023入選)。一方でウェブサイトの閲覧可能な寿命を長くするため、限りなくプレーンな状態で情報を表示するページも用意された。
https://gallery.kcua.ac.jp/mamoru/
▼本書完成と同時にリリースされたmamoruによるサウンドトラック。展覧会場ではテキストのプロジェクションとともに空間を支配する強い力を発揮した。発表プラットフォームであるbandcampのページでは全曲視聴可能なほか、歌詞やテキストを読むことができる。
https://afewnotes.bandcamp.com/album/outpoured