万平BOKS1「シラの恋文/エリゼのために」

¥1,870

北村想 作
新書判/114×176mm/206頁
並製本/天角丸/2024年
AD+D+DTP:松本久木
ISBN 978-4-910067-19-3



北村想作品のペーバーバックシリーズ「万平BOKS」始動!
第1弾はシス・カンパニーへの書き下ろし戯曲『シラの恋文』(2022年)と、1989年に発表した同名戯曲を小説化した『エリゼのために』(2015年)を収録。練り込まれたプロットと軽妙洒脱な文章が織りなす、北村ワールド全開の一書。

【内容】

戯曲『シラの恋文』
小説『エリゼのために』

解説:岡野宏文



北村 想(きたむら・そう)
劇作家・演出家・小説家。1952 年生まれ。滋賀県出身。1979 年に発表した『寿歌』は、1980 年代以降の日本の小劇場演劇に大きな影響を与えた。1984年『十一人の少年』で第28 回岸田國士戯曲賞、1990 年『雪をわたって…第二稿・月のあかるさ』で第24 回紀伊國屋演劇賞個人賞、1997 年ラジオ・ドラマ『ケンジ・地球ステーションの旅』で第34 回ギャラクシー賞、2014 年『グッドバイ』で第17 回鶴屋南北戯曲賞を受賞。現在までの執筆戯曲は200曲をこえる。また、小説『怪人二十面相・伝』は、『K-20 怪人二十面相・伝』として映画化されるなど、戯曲だけでなく、小説、童話、エッセイ、シナリオ、ラジオドラマ、コラムなど、多才な創作を続けている。現在は、主にシス・カンパニーに書き下ろしを提供しているが、加藤智宏(office Perkypat)との共同プロデュース公演(新作の、作・演出)も始動している。2013年『恋愛的演劇論』(松本工房)を上梓。2020 年に第73 回中日文化賞を受賞。

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万平BOKS発刊に際して

 真理が万人によって求められることを自ら欲するごとく、狂気もまた万人によって愛されることを自ら望み、かくして正統に至る道標となるべく生まれてきた。
 表現のあらゆる形態、〈音楽〉〈書画〉〈舞踏〉〈演劇〉〈文学〉などは、遠く我等祖先が、氷河期に穴居して、吹き荒れる嵐の中のあらゆる悪理、擬制、権力、暴力、恐怖、魔怪と闘わんがために、住処の暗闇の中に焚いた燃ゆる炎を囲んで、持てる微力を遥か宇宙の果てに届くまで、創造と想像、空想と発想によって膨張拡大せしめ、自らも燈明と心得おきて手に入れた、ヒトの持つ誇るべき「お宝」である。
 鑑みれば、この「お宝」はいま、消滅、灰塵、忘却の危機に瀕しているといってけして大袈裟な嘆きではない。いまやこの「お宝」を悪銭の時代から奪い返すことは覚醒せる隣近所の切実なる要求である。捲土重来、如何にして成らんや。
 もしいま我々が微力であるならば、いま一度祖先の如く洞穴の炎を囲み、微力とはけして無力ではナイということを、ココロに刻まれたゲノムの記憶に求めねばならない。
 世界が戦争、飢餓、殺戮、暴動、さらに自然からの復讐の如き驚異に晒され、世間が義理人情をなくし、殺伐とした朝にうなされて目を覚まし、悪夢の夜をむかえねばならない今日、ポケットに入れた、ただ一冊、ポーチに仕舞いし、ただ一冊の読書はその悪霊と闘う力となると信ずるは愚かなる夢であろうか。そは毅然と死に立ち向かい、仁もって争闘する力と等しさを同じくするや否や。
 おうよ、往くべき逝きもせよ。我等こそは風に吹かれる花一輪、ならば伝えよその姿を。
 小説、随筆、戯曲、詩歌、詞謡、評論、文芸、哲学、社会科学に自然科学、もってけドロンジョン万次郎ならぬ、万平BOKS。
 携帯に便にして価格ほどほど、その内容と外観のセンスをもって力を尽くし、芸術を好み知識を求むる士の自ら進んでその掌に握し、希望ひとつを胸にして、迎えられることこそ吾人の熱望するところである。
 その性質上経済的には最も困難多きこの事業にあえて当たらんとする吾人の志を諒として、その達成のため一冊必読人とのうるわしき共鳴あらんことを切に願う。

二〇二三年十月 北村 想

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