大竹野正典 劇集成 II

¥3,080

大竹野正典 著
四六判/125×187mm/368頁/検印・シリアルナンバー入り/別冊付き
コデックス装/スリーブ帯/天アンカット/2013年
刊行委員:小堀純/小栗一紅/後藤小寿枝/高岡孝充/塚本修/広瀬泰弘/松本久木
装丁:高岡孝充 造本設計+DTP:松本久木
ISBN 978-4-944055-60-9



行間から迸る
血腥い、生者の息づかい
返り血を浴びて、なお書く修羅の劇
2009年7月19日、海水浴中の事故により48歳という若さで世を去った劇作家・演出家、大竹野正典。
彼が遺した多くの劇作を紹介すると共に、様々な角度から彼の“生き様”に迫る〈劇〉集成の第二巻(全三巻)
一匹の犬として見えない何かに向かって吠えてみたいと、23歳で立ち上げた劇団「犬の事ム所」期からの戯曲6本のほか、エッセイ・詩・作品解説を収録。
また、当時の彼の姿を綴った別冊「犬の肖像」を附す

“ 彼はいつも勤め先のネームが入った上着を着ており、仕事の帰りに事務所に立ち寄ってくれた。
 「働く演劇人」であった大竹野だが、私の前に現れた時の貌は「作家」以外の何者でもなく、人懐っこい笑顔の裏に一瞬、狂気の淵がみえた。自作を語る端々に読書家らしい教養──知性を感じた。この男は単なる思いつきでモノを書いたりは決してしない。体躯も頑健そうだが、書くものの土台がしっかりとしている。作品は現代の矛盾を照射した同時代演劇だが、大竹野には長谷川伸や藤澤淸造といった、どこか近代の作家のような、そう「文士」と呼びたい風情があった。[…]
(小堀純「“最後の文士”大竹野正典」より) ”

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