地下室 草号2
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B5判/182×257mm/44頁
中とじホチキス製本/フルカラー/2017年
編集:地下室編集部(編集/赤嶺宏介 営業/井上彼方 制作/田嶋結菜 主筆/松原俊太郎 デザイン/松本久木 演出/三浦 基)
発行:アンダースロー(合同会社地点)
ISBN 978-4-944055-88-3
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この最悪のときにこそ、
『地下室』で、
わたしたちはわたしたちと、
おしゃべりしよう。
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雑誌はますます売れなくなってきているのに、なにをいまさら。暴挙ではないか?
そんな親切な忠告にはおかまいなしに、観客はおしゃべりをはじめてしまいます。
いや、すでにはじめてしまっています。
2016年9月、京都・北白川の地下劇場「アンダースロー」があらたに投じるのは、観客による、観客のための雑誌です。
半年ぶりの『地下室』最新号がむかうのは、そこかしこに草たちの群れつどう夜。
アスファルトのひび割れに発芽するコケたちの夜。高架下で商いをはじめる包丁研ぎたちの夜。
そして、生きていようと死んでいようと、あなたがあなたを彼らのあいだに発見する夜。
そんな夜のために、2017年3月、アンダースローから「草号2」をお届けします。
[文章]
こけのむすまで……田中美穂
ポートアイランドに東屋――接点の見える空間をつくる……家成俊勝
死者が名前を持つには信仰を持ち出さなければならない――なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか?[2]……三浦 基
忘れる日本人《二》……松原俊太郎
[写真]
石川竜一
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家成俊勝|いえなり・としかつ
建築家。京都造形芸術大学准教授。1974年兵庫県生まれ。2004 年、赤代武志とドットアーキテクツを設立。アート、オルタナティブメディア、建築、地域研究、NPOなどが集まるコーポ北加賀屋を拠点に活動。代表作は Umaki Camp(2013、小豆島)など。第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2016)にて審査員特別表彰を受賞(日本館出展作家)。
石川竜一|いしかわ・りゅういち
写真家。1984年沖縄県生まれ。写真集に『絶景のポリフォニー』、『okinawan portraits 2010–2012』、『adrenamix』、『CAMP』、『okinawan portraits 2012–2016』がある。沖縄県立博物館・美術館「写真家が見つめた沖縄 1972–2017」展(2017年4月25日より5月21日まで開催)の展覧会ディレクターを務める。2017年3月25日より4月25日までアンダースローにて石川竜一写真展『草に沖に』が開催される。
田中美穂|たなか・みほ
古本屋「蟲文庫」店主。1972 年岡山県倉敷市生まれ。岡山コケの会、日本蘚苔類学会会員。著書に『苔とあるく』『亀のひみつ』(ともにWAVE出版)、『ときめくコケ図鑑』(山と渓谷社)、『わたしの小さな古本屋』(ちくま文庫)、編著に『胞子文学名作選』(港の人)、ほか原民喜『幼年画』(瀬戸内人)、龍膽寺雄『シャボテン幻想』(ちくま学芸文庫)の解説を書いている。
松原俊太郎|まつばら・しゅんたろう
作家。1988年5月生。熊本県熊本市出身。神戸大学経済学部卒。地点『ファッツァー』で演劇と出会う。2015年、処女戯曲『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞(愛知県芸術劇場主催)大賞を受賞。2017年4月、戯曲『忘れる日本人』をKAATで地点が上演予定。2016–2018年度、演劇計画Ⅱ(京都芸術センター主催)に委嘱劇作家として参加。
三浦 基|みうら・もとい
演出家。劇団「地点」代表。1973年生まれ。文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、地点の活動を本格化。2005年、京都へ拠点を移す。主な作品にチェーホフ作『桜の園』『三人姉妹』、イェリネク作『光のない。』『スポーツ劇』など。2013年、京都にアトリエ「アンダースロー」を開場。著書に『おもしろければOKか? 現代演劇考』。2017年、第24回読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。
アンダースロー|UNDER-THROW
2013年開場。京都・北白川に元ライブハウスをリノベーションしてオープンした劇団「地点」の稽古場兼アトリエ。和製英語で下手投げの意。地下から劇場文化を発信する気概をこめて命名された。チェーホフ、ブレヒトといった既存戯曲からコラージュ作品まで、地点のレパートリーを幅広く上演。http://chiten.org/