地下室 草号3
¥825
なら 手数料無料の翌月払いでOK
B5判/182×257mm/64頁
中とじホチキス製本/フルカラー/2017年
編集:地下室編集部(編集/赤嶺宏介 営業/井上彼方 制作/田嶋結菜 主筆/松原俊太郎 デザイン/松本久木 演出/三浦 基)
発行:アンダースロー(合同会社地点)
ISBN 978-4-944055-92-0
─
前線の停滞する2017年6月、
忘れる日本人(たち)に捧げる
最後の草号!
─
松原俊太郎の戯曲「忘れる日本人」、ついに完結。
写真家・石川竜一が、彼の忘却と記憶、過去と未来、意識と無意識、を語りつくす。
初期近代ヨーロッパの記憶術を研究する桑木野幸司と
現代日本の空間にふさわしい忘却術をさぐる。
60年代アングラ演劇の研究者・梅山いつきと、地下室での3日間合宿。
3年後の「レガシー」を忘れるために、食べて、飲んで、しゃべって、ときどき黙る。
三浦基が連載の最終回であらためて芸術を宗教から解放することを訴える。
[文章]
忘れる日本人《三》……松原俊太郎
石川竜一の意識が地下室で語る……石川竜一(聞き手:赤嶺宏介)
現代日本の忘却術=記憶術のために……桑木野幸司(聞き手:赤嶺宏介)
あゝ、レガシー……梅山いつき+地下室編集部
信仰とは芸術にとってひとつのさぼりである――なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか?[最終回]……三浦 基
[写真]
石川竜一
─
石川竜一|いしかわ・りゅういち
写真家。1984年沖縄県生まれ。写真集に『絶景のポリフォニー』、『okinawan portraits 2010–2012』、『adrenamix』、『CAMP』、『okinawan portraits 2012–2016』がある。。
梅山いつき|うめやま・いつき
演劇研究者。1981年新潟県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学演劇博物館で現代演劇に関する企画展を手がけ、現在、近畿大学文芸学部で講師を務める。アングラ演劇のポスター、機関誌をめぐる研究や、野外演劇集団にスポットを当てたフィールドワークを展開している。著書に『アングラ演劇論』(作品社、AICT演劇評論賞受賞)、『60年代演劇再考』(岡室美奈子との共編著、水声社)。
桑木野幸司|くわきの・こうじ
大阪大学大学院文学研究科准教授。1975年静岡県生まれ。専門は初期近代西欧の建築・美術・庭園史、思想史、科学史。現在は「空間史」の視点から、テクストとイメージと空間の創造的な融合の場面を探っている。著書に Architetto sapiente: Giardino, teatro, città come schemi mnemonici tra il XVI e il XVII secolo (Olshki, 2011)、『叡智の建築家』(中央公論美術出版、2013)など。ほか翻訳・論文多数。第8回日本学術振興会賞受賞。
松原俊太郎|まつばら・しゅんたろう
作家。1988年生まれ。熊本市出身。神戸大学経済学部卒。地点『ファッツァー』で演劇と出会う。2015年、処女戯曲『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞(愛知県芸術劇場主催)大賞を受賞。2017年4月、戯曲『忘れる日本人』がKAATで地点により上演された。2016–2018年度、「演劇計画 Ⅱ」(京都芸術センター主催)に委嘱劇作家として参加。
三浦 基|みうら・もとい
演出家。劇団「地点」代表。1973年生まれ。1999年より文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、地点の活動を本格化。 2005年、京都へ拠点を移す。主な作品にチェーホフ作『桜の園』『三人姉妹』、イェリネク作『光のない。』『スポーツ劇』など。2013年、京都にアトリエ「アンダースロー」を開場。著書に『おもしろければOKか? 現代演劇考』。2017年、読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。
アンダースロー|UNDER-THROW
2013年開場。京都・北白川に元ライブハウスをリノベーションしてオープンした劇団「地点」の稽古場兼アトリエ。和製英語で下手投げの意。地下から劇場文化を発信する気概をこめて命名された。チェーホフ、ブレヒトといった既存戯曲からコラージュ作品まで、地点のレパートリーを幅広く上演。http://chiten.org/