ある地方高校生の日記 一九五〇〜一九五三

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秋浜悟史 著
A5判/148×210mm/320頁
仮フランス装/金箔押し加工/2024年
刊行委員会:内藤裕敬(代表)/いのうえひでのり/ 古田新太/ささきけいな(秋浜 冴)/小堀 純/松本久木
編集:小堀 純(代表)/松本久木/三枝希望
AD+D+DTP:松本久木
ISBN 978-4-910067-24-7


青春、それは沈黙のうちに閉ざされたままでよいはずがない。
歌う勇気を持たねばならぬ。
手を空にかざし、再び、眩暈の記録をはじめよう。
(日記の冒頭)


石川啄木を継ぐ才と謳われた岩手県渋民村出身の秋浜悟史(1934–2005)──劇作家・演出家、そして演劇教育者として多大な功績を残し、演劇界の巨星としてその名を知られている。本書は、その所在が長らく未見となっていた、岩手高校時代に秋浜が綴った貴重な日記である。戦争の影を引きずる中、詩作に耽り、映画に没頭し、演劇に音楽に、そして、酒と恋に身を焦がした瑞々しい青春譜が、70年の時を経てここに蘇る。

【内容】

「ある地方高校生の日記 一九五〇〜一九五三」

 一九五〇年(昭和二五) 
 一九五一年(昭和二六) 
 一九五二年(昭和二七) 
 一九五三年(昭和二八)
 注

「寄稿」

 いのうえひでのり
 大石時雄
 秋津シズ子
 岩崎正裕
 橋本じゅん
 古田新太
 高田聖子
 須川 渡
 内藤裕敬

「年譜」

 年譜作成にあたって
 秋浜悟史 年譜
 参考・引用文献一覧

附記
後記


秋浜悟史(あきはま・さとし)
1934年(昭和9)3月20日、岩手県岩手郡渋民村(現・盛岡市渋民)に生まれる。47年、中高一貫の私立岩手中学校・高等学校に入学。54年、早稲田大学第一文学部演劇専修に入学。早大劇団・自由舞台に入団し、劇作や演出を担当。56年、『英雄たち』を「新劇」(白水社)に発表。58年、岩波映画製作所に入社し、羽仁進や東陽一、後に清水邦夫、田原総一朗などと共に活動。66年、退社し、以前より作・演出として関わっていたNHK俳優養成所出身者による劇団三十人会の活動に専念、のちに劇団代表となる。67年、『ほらんばか』の劇作ならびに演出により、第1回紀伊國屋演劇賞を受賞。故郷岩手の言葉から生み出される詩と音楽と狂気とを織り混ぜ、時代を凝視する作品を次々と発表。69年、『幼児たちの後の祭り』に至るまでの諸作品の成果により、第14回岸田國士戯曲賞を受賞。73年の劇団三十人会解散以降、活動の比重を徐々に東京から関西に移す。
1979年、大阪芸術大学舞台芸術学科講師に着任(87年教授、96年学科長、97年大阪芸術大学大学院芸術制作研究科の指導教官)。同年、滋賀県の知的障害者施設「あざみ・もみじ寮」第1回寮生劇発表会『ロビンフッドの冒険の冒険』の台本・演出を担当。以降、5年ごとに公演を重ねていった。83年、兵庫県立尼崎青少年創造劇場が、ピッコロ演劇学校を開設し、講師に着任。85年、公立高校では当時、全国唯一の演劇科を持つ兵庫県立宝塚北高等学校が開校し、講師および演劇科長に着任。様々な教育の場で、のちに演劇界の第一線で活躍する多くの劇作家、演出家、俳優のほか、舞台制作者やスタッフ並びに、教育従事者、研究者を指導・育成した。また、OMS戯曲賞等の選考委員を長年務め、関西出身の劇作家育成に尽力した。94年、兵庫県立ピッコロ劇団が発足し、劇団代表を務める。98年、同劇団公演『私の夢は舞う─會津八一博士の恋─』(作:清水邦夫、演出:秋浜悟史)が、第52回文化庁芸術祭賞〈演劇部門〉優秀賞受賞。同作と『風の中の街』(作:別役実、演出:藤原新平)にて、第32回紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞。04年、ピッコロ演劇学校参与を残し、すべての役職から退任。
2005年7月27日、チェーホフに関する書籍を求めた京都の古書店からの帰途、奈良の自宅前でタクシーを降りる際バランスを崩し転倒。頭部を打撲。31日、脳挫傷にて死去。享年71歳(満)。

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|寄稿より抜粋|


面白かった!そして驚かされました、色々と。秋浜先生の高校生時代、三年間。秋浜少年の日記。いやあ、やっぱり改めて“すごいなぁ”と。

ホント、“秋浜少年・青春完全燃焼篇”ですよ。

それにしても、秋浜先生にはホントにビックリだ。エネルギッシュだ!立派だ!本当にこれ高校生が書いたのか‼ とんでもないスーパー高校生だったのではないか。

──いのうえひでのり(劇作家、演出家、劇団☆新感線主宰)


抑えようのない知識欲と野望に満ち、意志と感性の赴く所へ突進していく。挫折感や失恋さえもエネルギーに変えて、堪え難い喉の乾きにオアシスを探すライオンとなって咆哮して尋ね歩く。まるで、青春の時間と肉体が、そうでなければならないと知っているかのように。
この高校生、青年、秋浜悟史。

──内藤裕敬(劇作家、演出家、俳優、南河内万歳一座主宰)


悪夢のような軍国主義が崩壊したあとの解放感と、燃え盛る言葉への情熱、誰はばかることなく文字にできる喜びが、日記の中で炸裂している。

──大石時雄(小田原三の丸ホール館長)


早熟な高校生。あまりにも多才。抜きんでた天才。異能ともいうべき言葉の魔術師。大人たちと互角にがっぷり組み、頼られ、祭り上げられた青春。羞恥と自尊が手を取り合って闊歩する日々。
私の知っている秋浜先生が、高校生の段階で、すでにここにいた。

──秋津シズ子(演出家、元・兵庫県立宝塚北高校演劇科科長)


秋浜さんはクリップで豪快に止めた分厚い紙幣の中から、必要以上の金額を置いて家路に着かれた。格好いい大人ってこういうものか、と呆気に取られた。

──岩崎正裕(劇作家、演出家、劇団太陽族主宰)


秋浜先生のおおよそ信じられない奇跡の高校生活が綴られた日記、拝読致しました。
先生、何やってるんですか!
痛快、仰天、関心、感嘆、そして 納得。
「これはもはや高校生ではない!めちゃくちゃ魅力的だがオッサンだオッサン!」

──橋本じゅん(俳優、劇団☆新感線)


改めて先生に、最高のリスペクトを込めて言わせてもらいます。
“秋浜先生、先生は学生の頃からくっだらなかったんですねー”。

──古田新太(俳優、劇団☆新感線)


恩師の青春時代の日記を読むなんて、なんてイケナイ事をしているのかしらとニヤニヤしながらページをめくりました。
背伸びしたり打ちのめされたり、恋して絶交して泥酔して、とにかく文学!映画!演劇!
なんと忙しい青春時代。

──高田聖子(俳優、劇団☆新感線)


秋浜先生の日記を読んでまず感じたのは、高校生の頃からすでに秋浜悟史は完成されていたのではないかということ。その後の早稲田大学自由舞台や劇団三十人会で培ってきた経験が、演劇教師の活動に活かされたことは事実だが、日記に活写された高校生らしからぬ振る舞いは、私が高校のときに出会った秋浜先生そのものだ。

──須川 渡(福岡女学院大学人文学部准教授)

©写真提供:ささきけいな(秋浜 冴)

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https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784910067247

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