a+a美学研究|第15号
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大阪大学大学院人文学研究科美学研究室 編集
A5判/148×210mm/160頁
並製/無線綴じ/箔押し/表紙マットPP/2024年
ED:高安啓介 AD+D+DTP:松本久木
ISBN 978-4-910067-20-9
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『a+a美学研究』は、美学の知をより多くの方々と共有できることを目指しています。新しい研究を紹介する学術雑誌としての機能を保ちながら、美学への理解を深めたい学生にとっても、芸術に興味のある読者にとっても、知の道標となるような特集をこれから組んでいきます。この雑誌の編集にあたっては、コミュニケーションの様態への関心から、知の内容だけでなく知の形式についても反省をめぐらし、見出された知見がいかに社会のうちに浸透していくのか、重要と思われる事柄がいかに社会のうちに共有されるのか、美学の思考をそこまで駆り立ててみたいと思います。
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特集:社会デザイン 過去・現在・未来
社会デザインとも呼ばれるソーシャルデザインは、利益をあげるよりも社会問題の解決を優先するデザインとして知られており、この名称はいまや、大学・行政・企業において便利に使われている。社会デザインはその性格上、現在(いま)と強く結ばれており、目の前の問題にとらわれがちで、場合によっては、デザイン活動であることすら忘れ去られそうになる。そのため、少し離れた過去にも、少し離れた未来にも、ひとしく目を向けて、社会デザインやそれに類するアートの可能性について深く考えてみたい。(「はじめに」より)
[内容]
はじめに
高安啓介
(大阪大学大学院人文学研究科教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はデザイン思想史。)
社会デザインの領分
高安啓介
チャリティ・教育・法律──ソーシャル・ネットワークの中のモリス商会
横山千晶
(慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は、ヴィクトリア朝文学・文化研究。)
スウェーデンのスロイド運動における市民参加
池山加奈子
(大阪大学大学院人文学研究科博士前期課程。クリエイティブ・ディレクター。専門はデザイン、スウェーデンのスロイド(手仕事)。)
女性の自立をうながす布──インド・グジャラート州におけるSEWAの取り組み
岡田弥生
(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程。専門はインドの染織文化。)
【報告】みんなでつくる──大阪ラスキン・モリスセンターの取り組み
太田未来
知的障害当事者を主体とした映画制作──障害の「社会モデル」の視点から
工藤真生
(九州大学大学院芸術工学研究院助教。筑波大学大学院博士後期課程修了。博士(デザイン学)。専門はサイン計画及びピクトグラムのユニバーサルデザイン。)
ドキュメンタリー映画におけるケアの表象──想田和弘の『精神』と『精神0』を例に
東 志保
(大阪大学大学院人文学研究科准教授。パリ第三大学映画視聴覚研究科博士後期課程修了。博士(映画視聴覚研究)。専門は、映画研究・比較文化論。)
美術館の外/社会の内──川俣正「夢浮橋ワーク・イン・プログレス」
岩﨑陽子
(嵯峨美術短期大学准教授。大阪大学文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はフランス美学・哲学。)
社会デザインにとって社会課題とは何か
水内智英
(京都工芸繊維大学未来デザイン・工学機構准教授。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業、ロンドン大学大学院Design Futures、京都工芸繊維大学工芸科学研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は、ソーシャルイノベーションのためのデザイン、メタデザイン、システミックデザイン。)
社会デザインと理想の社会
高安啓介